2010年8月7日土曜日

ザ・ファシリテーター


森 時彦

ザ・ファシリテーター


ファシリテーションという言葉を御存知でしょうか?

医師として、もし、ファシリテーションという言葉を見かけることがあるとしたら、

研究会などでの、座長という言葉の代わりに、用いられてる場合だと思います。


必ずしも、ファシリテーションという言葉や中身に定義があるわけではなく、

それが含有する物は、様々にわたるのですが、

多くは以下のようなものと説明されることが多いです。

日本ファシリテーション協会からの抜粋

ファシリテーション(facilitation)とは、「促進する」「容易にする」「円滑にする」「スムーズに運ばせる」というのが原意です。人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶように舵取りするのがファシリテーションです。具体的には、集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、変革、自己表現・成長など、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。またその役割を担う人がファシリテーター(facilitator)であり、日本語では「協働促進者」または「共創支援者」と呼びます。分かりやすく言えば、裏方で黒子のリーダーです。会議で言えば、メンバーの参加を促進し、プロセスの舵取りをする人がファシリテーター(進行役)です。(抜粋終わり)


本著の内容は、ストーリー形式となっています。

「えっ、私がですか」

「君ならやれるよ。いや、開発センターを大きく変えるには君しかいないと思っている。
マーケティングを変えたようにね。2年で変えてくれ。
その後は、またマーケティングに戻ってもらうから…」

マーケティング部門のリーダーだった黒沢涼子が、畑違いの製品開発センター長に抜擢される。

はたして専門知識面でも、年齢でも自分を上回る男性の部下を率い、

組織を変えることができるのか…。

ストーリーを楽しみながら、人と組織を動かし、

自分が変わるファシリテーションのスキルとマインドが確実に身につくような構成です。


センター長という権限を持ち(しかも社長は味方)、

そして、ある程度、実現手段に関して合意が得られている環境での組織改革ですから、

恵まれてはいます。

現実はこうはいかないよと多くの方が思うでしょう。

でも、主人公の生き方には非常に勇気づけられます。


本著では、ファシリテートする対象は組織です。

対象が何であるかによって、

必要とされるスキルは異なってきます。

ファシリテーションで紹介されるスキルの多くは、

ビジネスで必要とされ、様々なビジネス書で紹介されるスキルの集合体です。


様々な対象に対して、臨機応変に、ファシリテートできるようになれば、

優れたビジネスマン、いや、人になれることと思います。

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