2011年12月24日土曜日
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
マルコム・グラッドウェル
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
理由はわからないけど「これだ!」と思ったり、
説明できないけど「なんか変」と感じたことはないだろうか?
しかも一瞬で。
人間には、理屈を超えてわかったり、感じたりする瞬間・能力がある。
心理学で注目を集める『適応性無意識』である。
本書ではそれを『第1感』(原題はblink=ひらめき)と命名した。
「五感」を想定した「六感」ではなくて、「五感」の前にある無意識の反応を指す。
医療においても、救急で検査に異常がなくても、この患者は何かヤバイと感じたり、
理論的には説明しにくい感じでぱっと診断が浮かんだりすることが
まさに『第1感』と言えると思います。
第一感=直感が無視できないことは経験的にもわかりますが、外れることも多々あります。
どうしたら、第一感を伸ばすことができるのか?
どうしたら、有効な第一感と無効な第一感を見分けることができるかの?
を知りたかったですが、その辺には言及が及ばず、残念でした。
以下要約
輪切りの力=
短時間に輪切りした断片を、特殊な視点を通して処理することにより、瞬時に判断することができる。
しかし、その特殊な視点が何ののかは、無意識的であり、意識できないことが多い。
その無意識的な特殊な視点は、意識しようとすると逆にうまく働かなくなったり、
見た目といった他の情報に左右されやすかったり、
情報が増えるたりストレス下だと逆に間違えたりする。
無意識的な特殊な視点を持ったプロは短時間で判断できるが、
プロでないものは短時間では判断できず、
結果、プロと大衆の判断は分かれることがある。
プロが行う適応性無意識には、さまざまな限界があるが、
それでも、短時間に優れた結論に達するには有効な手段の一つである。
その多くは無意識下に行われ、意識することは困難であるが、
知識と経験の積み重ねで培われると考えられ、そういった人の第一感は、無視すべきではない。
2011年12月9日金曜日
スイッチ!
チップ・ハース、ダン・ハース
スイッチ!
『アイデアの力』が好評であったハース兄弟の著作です。
どうやって変化を起こすのかに関する内容です。
目新しい内容ではないですが、
わかりやすいフレームワークで展開され、
内容がすっと頭に入ってきます。
『感情=象で比喩』の『理性=象使いで比喩』の両面をわけて
方法論が展開している点が優れていると思います。
以下、要約です。
どこかの誰かが行動を変えなければ、何も変わらない。
それは、あなた?あなたのチーム?まずはその人物を思い描こう。
誰もが感情的な『象』の一面と理性的な『 象使い』の一面を持っている。
その両方に訴えかけよう。
『変化』 できない理由は3つ
(1)相手の行動を変えるには、その人の環境を変えなければならない
(その人が原因ではなくて、変化できない環境が原因なのだ)
(2)怠けているのではない。じつはつかれきっている場合が多いのだ
(3)抵抗しているのではない。じつは戸惑っている場合が多いのだ
それでは、変化を起こすための3つのステップです。
Step1:象使いに方向を教える
(1) ブライト・スポットを手本にする;うまくいっている部分を探し、まねしよう
(問題点ではなく、解決策に目を向ける)
(2) 大事な一歩の台本を書く;全体像で考えず、具体的な行動を考えよう
(選択肢が増えると動けなくなる。新しい行動を具体的に)
(3) 目的地を指し示す;目的地はどこか、そこへ向かうメリットは何かを考えれば、変化は楽になる
(ごまかしようのない白黒の目標)
Step2:象にやる気を与える
(1) 感情を芽生えさせる;知識だけでは変化を起こすには不十分。感情を芽生えさせよう
(肯定的幻想をもたせ、燃える足場を認識させ、ポジティブシンキング)
(2) 変化を細かくする;象をおびえないくらいまで、変化を細分化しよう
(3) 人を育てる;アイデンティティを養い、しなやかマインドセットをはぐくもう
Step3:道筋を定める
(1) 環境を変える;環境が変われば行動も変わる。したがって、環境を変えよう
(2) 習慣を生み出す;行動が習慣になれば、象使いの負担はなくなる。習慣を促す方法を探そう
(アクショントリガーを設定する)
(3) 仲間を集める;行動は伝染する。行動を広めよう
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